読みました。

  • 石原吉郎: 望郷と海
    絶版本、やっと読めた。シベリア抑留体験の克明で壮絶な記録。よく生きられたなと閉口する。死に接した体験が表現に繋がったのだ。日本帰国時の著者の違和感に同情し、共感する。必ず復刊すべき書だ。「最大の問題は、僕の生きる根拠」 (★★★★★)
  • 木村龍治: 自然をつかむ７話
    日常生活の事柄を素材にして、科学を語る。本質がわかっているからこそわかりやすく伝えられるのだ。宇宙の章が興味深い。謙虚な教授は好感。 (★★★★)
  • 桂米朝、筒井康隆: 笑いの世界　対談
    ものすごい笑いの知識の量。博覧強記の上に、笑いを自分で表現しているから、知識に磨きがかかっている感じ。古すぎて付いていけないことも多いが、興味深い話ばかり。本人たちが一番楽しいかも。 (★★★★)
  • 大村敦志: 父と娘の法入門　
    民法学者が書いた法入門。見逃していた本質をわかりやすく展開される。文章のテンポが快い。動物との関係を通じて人間と法を知ることができる。法は大事。 (★★★★★)
  • 青山七恵: ひとり日和　
    最新の芥川賞受賞作。かけがえのない２人との出会いと別れを通して、感情を繊細に著す。軽そうだけど、深く描く。さすが受賞作。ラストの不安定な前向きさが好き。 (★★★★)
  • 興津要／編: 古典落語
    やっぱり面白い。発想と月日が練られた噺を生み出している。編者の経験した研究するオチケンには入りたい。 (★★★★)
  • 岩田靖夫: ヨーロッパ思想入門
    ギリシアの思想とヘブライの信仰を土台にヨーロッパの思想を説く。やっぱり簡単に理解はできないんだけど、大まかな流れを摑むことができる。個人的にロックの思想が好き。要再読。 (★★★★)
  • 三浦綾子: 氷点
    出生の事実をめぐり、何の罪の無い陽子を取り巻く人々のゴタゴタ話。陽子に心から同情。夏枝が悪い、悪い。キリストの原罪とか言いながら、結局は思い込みによる行為の連続。悲劇だ。 (★★★★)
  • 桂米朝: 桂米朝 私の履歴書
    桂米朝自身による自伝。藝に対する情熱、興味、知識、愛情が色濃く出ている。だから細部まで記憶に残っている。オモロイ。噺、聴きたいな。 (★★★★★)
  • 佐藤優: 自壊する帝国
    帝国とはソ連のこと。ソ連崩壊の裏側というよりは、佐藤の自伝として興味深い。教養があるな、能力があるな。恐るべき記憶力とプロとしての仕事ぶりもオモロ。国がなくなるとはどういう感情を持つのだろうか。 (★★★★★)
  • ゲーテ: ファウスト
    難、難。読みにくいわけじゃないけど、歴史的背景や教養がないと理解できません。奥泉光が一生かけて読むものと書いていたので、じっくり読み返したいと思います。だから評価できない。
  • 日垣隆: 個人的な愛国心
    コラムの集合だが、どの文章もハッとさせられる。日本にずっと興味を持ち続けるから、現代の問題点を顕し、解決策を示す。なんだか心地良い。 (★★★★★)
  • 日垣隆: どっからでもかかって来い！　売文生活日記
    読んでて楽しくて痛快だが、自分と照らし合わせると、「主張」してないことに背筋が冷たくなる。著者の文章にはいつもハッとさせられる。「勝てる喧嘩」に納得。 (★★★★★)
  • 日垣隆: すぐに稼げる文章術
    目的を持ち、読ませたい文章を、書き続けることが重要。だから、あえて８分の力で。まだまだ修行が足りません。 (★★★★)
  • 手嶋龍一、佐藤優: インテリジェンス　武器なき戦争
    オモロ。内容は国益を第一に考え、行動するスパイたちを追い、庶民の日常生活には関係なさそう、だが、平穏な日常を送るためにもスパイが不可欠。他人事のようなそうでもない話。とてもスリリング。 (★★★★★)
  • 村上春樹: グレート・ギャツビー
    村上春樹の生涯の一冊の本。ギャツビーの胡散臭い軽さと最期の儚さが対照的で、心に迫る。原文は限りなく美しいとの事。なんとなくハルキの世界に似てるか。 (★★★★)
  • コンラート・ローレンツ: ソロモンの指環
    動物たちと接することでひいては「ニンゲン」を知ることになる。動物たちと一緒に過ごすことが研究。楽そうな、つらそうな。動物たちではなく、自分の子どもたちをカゴに入れていたのが印象的。 (★★★★)
  • 筒井康隆: パプリカ
    映画を観て原作にたどり着く。原作は詳細で、ノーベル賞が鍵となる。夢と現実が絡まりあい、意識の中で「性」が大きな部分を占める。想像力の高さに脱帽。 (★★★★)
  • 村上春樹: 象の消滅
    一見日常の生活を淡々と述べているようだが、所々で日常が破綻する。それが劇的ではなくいかにも自然に起こるのだ。文体から目が離せなくなっている。「やれやれ」 (★★★★★)
  • 山崎 正和: 不機嫌の時代
    難。でも、漱石、鴎外、荷風、直哉らが明治維新を経て急速に無意味に西洋化していくことに納得いかず、迎合できず、不機嫌になっていったことは同情できる。それを自分の作り出した作品に反映し、主張できるのはプロだ。 (★★★★)
  • 浅羽 通明: 右翼と左翼
    右翼とは？左翼とは？という疑問から近現代の政治史を追う。現代は「正義」とは何か、言い換えれば最善が何か皆が模索中。読むとモヤモヤする。お座なりではない、柔軟で、長大な、懐の深い、思想が必要。皆で考える。 (★★★★★)
  • 中村航: １００回泣くこと
    結構ココロに響く作品。泣いてないけど「泣ける」。感傷的に終わるのではなく、亡くなった者の言葉や考えや感覚が連綿と繋がっていくことが著されるのが良い。仕事の様子やバイクの部品名や病状の記録などがリアリティを持たせるな。 (★★★★★)
  • 丸山真男: 日本の思想
    初めてのマルヤママサオ。50年ほど前の著作だが、時代を膨大な知識を用いて視た「思想」とその解決へのヒントは現在も通ずる。いや、現在はそのころと変わってないのだろう。意外にも読みやすい。 (★★★★★)
  • 村上宣寛: 「心理テスト」はウソでした。
    心理学者が「心理テスト」のウソを科学的に検証していく本。結構端折って書かれているので、証明はわかりにくいけど、こんなテストで自分の心理がわかってたまるかという直感はあった。心理学は本来科学的で客観的で無味乾燥とのこと。著者の心理テストをやってみたい。 (★★★★)
  • 谷岡一郎: 確率・統計であばくギャンブルのからくり
    絶対儲かる方法はない。まして競馬や宝くじでなんて。でも絶対負ける方法はあるから、それと逆の方法をすれば「負けない」のだ。パチンコの期待値の高さに目から鱗。 (★★★★★)
  • 山本 周五郎: さぶ
    初めての周五郎。良い。さぶとの友情と栄二の成長を描く。心に響く安らかなラスト。いいな。 (★★★★★)
  • 早坂 隆: 世界の日本人ジョーク集
    暇つぶしにちょうど良い。世界のステレオタイプが見て取れる。ジョークにされるだけでも、世界に自国が知られていることがわかる。 (★★★)
  • 大江健三郎: 新しい人よ眼ざめよ
    書いていることは難しいんだけれど、脳のキャパが広がっていくことが感じられる本。障害を持ったイーヨーの純粋さに著者だけでなく、こちらもこころ動く。 (★★★★)
  • 村上春樹: 中国行きのスロウ・ボート
    やっぱり村上春樹はイイ。孤独に寂しがる必要のない強さを与えてくれる。読後の余韻も心地良い。「午後の最後の芝生」が気持ちいい。 (★★★★★)
  • ドストエフスキー: 死の家の記録
    刑務所での仔細で膨大な記録小説。いろんな奴らが出てきてそいつらに関する記述をこれでもかこれでもかと掘り下げる。その力量に感服。人間をここまで素直に著すことのできるのがドストエフスキー。決して暗くない小説。 (★★★★)
  • 谷岡一郎: ツキの法則
    ずっと気になっていた本。確率・統計論を用いてギャンブルの「常識」を覆していくことは爽快。著者が名うてのギャンブラーであることが説得力をさらに強める。楽しいギャンブルの考えは賛成。カジノへ行きたい。公営ギャンブル（宝くじも含む）への不信感を感じ、手を出さないことに決める。 (★★★★★)
  • 広井良典: 死生観を問いなおす
    高齢化社会の問題から「死」とはどういうものかを掘り下げた傑作。文章はわかりやすく、要点を所々でまとめてあるのでとてもクリアでシャープだ。「死」＝「永遠」とし、決していまの自分から切り離されるわけではないとする。また、誰もが死ぬのだ。自分が無くなると思い込んでいる「死」を恐れなくなる名著。 (★★★★★)
  • 坪内 祐三: 新書百冊
    新書（坪内的）ブックリスト。著者の人生と新書をリンクさせている。著者の半生記か？半分以上ははじめて知った新書。読みやすい文章ですぐに読了。新書読まなきゃ。 (★★★★)
  • 深沢 七郎: 楢山節考
    姥捨て物語。「ムラ」社会の慣習や固定観念、プライベートの無さが怖い。当然のように姥を捨てる行為は読者から見ると、奇異に映る。その不快さを確実に残す本。 (★★★★)
  • 斎藤孝: 上機嫌の作法
    不機嫌は悪。不機嫌になるな！！気持ちの持ちようの大転換。著者の基本になる書は変わらない。彼のどの本にも出てくる、読書力で取り上げた本。何回も伝えていくことが出来るのが教師のワザか。 (★★★★)
  • トルストイ: アンナ・カレーニナ
    やっとのことで読了。アンナだけでなく、その周囲の人々の圧倒的な仔細な描写。大長編！人物が活き活きとしているな。 (★★★★)
  • 宮崎 哲弥: 新書３６５冊
    新書を読んでいないことを再確認。でもこれに出ているのは比較的最近のものばかり。「名著」を読みたい。早速『社会科学の方法』を買いました。新書に近づける書。 (★★★★)
  • 本川 達雄: ゾウの時間ネズミの時間
    動物がそのサイズであることには理由がある。数式や理論を通して理由を示すので説得力がある。動物たちを理解していくと相対的にヒトを客観的に見られる。 (★★★★)
  • 高城剛: ヤバいぜっ！デジタル日本
    経済を支えるのは文化だ！という考えに与する。妙に納得。そのためには国民全員がクリエイターにならないと。 方法は自分で見つけるしかないのか。日本への愛・期待があるからこその憂慮。なんかホッとした。隠れクリエイター志望より。 (★★★★)
  • 山田真哉 : さおだけ屋はなぜ潰れないのか？
    とてもわかり易い会計の基礎。読みやすい。会計の本質を身近に感じさせている。物足りなさはあるが、基礎もわからずに経営は出来ない。公認会計士の仕事も大雑把であることも知る。 (★★★★)
  • 太田 光・中沢新一: 憲法九条を世界遺産に
    読み物として楽しい。太田の芸人としての矜持とともに、文化・芸術への興味の深さが言葉に表れる。右翼でも左翼でもない考えを積極的に発言している姿は凛々しい。中沢の懐の深さも対談を建設的に力づけている。独特言う意味のユニークさに賛同できる。 (★★★★★)
  • 日垣隆: 『いい加減にしろよ（笑）』
    最高。私憤を省きつつ常識で世の中を鑑定する。福知山線脱線の大事故も「もう２度と起きない」という。そうだ。細木数子の鑑定も冷静に行う。著者の考えに嵌ってます。 (★★★★★)
  • 日垣隆: 知的ストレッチ入門
    実践テクニックを披露。速読法から使ってる付箋までも披露。「アウトプットのためのインプット」は唸る。モチベーションがあがるとともに集中力もアップ。マスコミへの疑いもオモロ。ワタクシにとってはこれを書くことがアウトプットやね。 (★★★★)
  • 日垣隆: 父親のすすめ
    「親を必要としなくなる日」を目指し、実践中の本。フリーライターの立場で子供を３人育てているので、説得力がある。著者の書籍に共通する常識（当然のこと）を当然伝えることが肝要だ。しかし、ダメ親でもいいよと諭す優しさもある。これからの子育てに活用できる。 (★★★★★)
  • 日垣隆: 世間のウソ
    世間を誤らせる構造的なウソを大きく暴いた本。データが出ているから信用できる。皮肉が多いが、語り口は真摯。いい加減なものをいい加減と言う気概が好きだ。これからも参考にしたい。 (★★★★★)
  • 日垣隆: 情報の「目利き」になる！　メディア・リテラシーを高めるＱ＆Ａ
    「メディア・リテラシー」という言葉で何か硬く感じていたが、本質的な意味は「読み書き能力」のこと。つまり「情報の目利き」になるのだ。著者の考えがよくわかる。納得できる。 (★★★★★)
  • 村上龍: コインロッカー・ベイビーズ
    約６年ぶり再読。圧倒的な筆力、迫力。このテンションの高さにドクドクする。わずかな時間に同時に発生した現象を色鮮やかに感じさせるように視覚聴覚嗅覚触覚味覚に訴えるように一気に書き上げるシーンが印象的。ハシとキクのリンクが友情的でグロテスク。 (★★★★★)
  • ジョン・スタインベック: ハツカネズミと人間
    体格も性格も異なるが妙に気が合う二人の物語。体格の大きいレニーの悪気はない行為により、切ないラストシーンとなる。夢を語り、膨らませるが、レニーの手により夢は萎み儚く散る。レニーとジョージの関係は好き。 (★★★★)
  • 樋口一葉: にごりえ・たけくらべ
    文語体なのだけど、限りなく口語体に近い文章。文章にリズムがあって、登場人物が活き活きとしていて、読みやすい。賑やかな会話がつづくが、ラストはもの悲しい。なぜ今でも残っているのか判る気がする。 (★★★★)
  • プラトン: ソクラテスの弁明・クリトン
    国家よりも自分を押し通すソクラテス。自分を押し通して刑を受けようとも神の導きとする。時代が異なり、すんなり入ってこないが、本質的なものは共通している。と思う。 (★★★)
  • 中村航: 夏休み
    2回目。1回目に読んだときと印象が異なる。１回目のなんとも言えない爽やかさというよりは、軽やかさを強く感じる。周りの人物、仕事、食べ物、空気を愛する主人公は好きだ。オトナ気ないオトナの話。 (★★★★)
  • トーマス・マン: 魔の山
    従兄弟の見舞いに行ったら、自分も患者になってしまった主人公。多くの人々の饒舌な言葉に翻弄される主人公。「死」が強く印象に残った。読み終えたことに充実感。周りの人物は事細かなのに、主人公のことはあまり語られない物語。 (★★★★)
  • 灰谷健次郎: 太陽の子
    平易な文章で重い問題を取り上げる。小学校の先生はこのようなことに日々取り組まなくてはならないのか。ふうちゃんの感情のままに行動する姿は羨ましい。問題は解決しないが、その問題があるという存在を知っただけでもよいのだ。 (★★★★)
  • 石田衣良: I LOVE モーツァルト
    ブームに乗って、モーツァルトに触れようと思い、読みやすそうな本書を買う。もっと気軽にモーツァルトに触れ合ってもよいのではという石田の考えに賛同。石田の鼻に掛けるような、達観したような話し方はあまり好きじゃないんだけど、世間を、一般人を良く知ってるのはわかる。もっとモーツァルトを聴こうと思ったのは間違いないけど。 (★★★★★)
  • 山本勉: 仏像のひみつ
    新聞の書評を読んで即購入。わかりやすい。如来と菩薩と明王と天の違いを知ることが出来ただけでも大満足!!東京国立博物館へも行っちゃいました。 (★★★★★)
  • ニーチェ: ツァラトゥストラ
    訳：手塚富雄。難、難。「神は死んだ」しか覚えていない。ただ読み終得ることだけを課した本。ツァラトゥストラの荘厳さは伝わる。ラストは希望を感じる。自己肯定。あとでじっくり読もうか。
  • 網野善彦: 日本の歴史をよみなおす
    穢れ、貨幣、「日本」、天皇、女性がキーワード。我々が今常識と思っていることは、そんなに古くはない。時代は変わるのだ。現在が１４世紀以来の大転換点と言う指摘に、目から鱗。我々に「日本」と天皇に関する問題の決定権があるよう。考えなくてはならない。 (★★★★)
  • スティーヴン・キング: スタンド・バイ・ミー
    12歳ごろの懸命に「生きてる」冒険。このころの遊びは本当に楽しい。だから、心に残る。「マンハッタンの奇譚クラブ」の話もよい。どこにも、いつでも語る話はある。 (★★★★)
  • 安斎育郎: だます心　だまされる心
    NHK人間講座のテキストを基礎に作られる。著者を知ったのはこの番組からだ。工学博士が科学的に客観的命題を証明してもらい、真偽を公にし、広く発言してもらわなければならないのだ。当たり前のことを教えられて鱗が落ちる体験ができる。読もうよ。 (★★★★★)
  • 中島敦: 李陵・山月記
    どうも取っ付き難い。とんでもない人物が次々に出てくる。中国4千年は伊達じゃない。格調高い文章。 (★★★)
  • 安西育郎: 科学と非科学の間
    「どんな問題でも科学で解決できるわけではない」というスタンスで、迷信、オカルト、超常現象を冷静に批判。技術創造路線を進む国での異常な信頼の高さに警鐘を鳴らす。科学と価値を分けた前提で批判するので頼れる。完璧なものなど何一つない。 (★★★★★)
  • 齋藤孝: スラムダンクな友情論
    読みやすいな。読ませるよ。友情は一緒にトイレに行く関係ではない。「向上心」を柱にして、お互いが「自己形成」の醍醐味を味わう関係だ。また、なにものにもかえがたい生涯の宝だ。友情を通じて、いかに自分を高めていくことに主眼がおかれている。友情を上手く言語化。１０代向けの本だけど、熟読。タメになります。 (★★★★★)
  • 夏目漱石: 夢十夜
    不思議な話。映画にしたら面白そう。淡々とテンポよく文章が続き、読みやすい。「文鳥」「永日小品」はイメージが浮かびにくい。 (★★★)
  • 齋藤孝: 座右の諭吉
    実践的日本人、諭吉。齋藤は自分の考えを諭吉の言葉を通じて諭している気もするが、意味がないわけではない。切り拓く強さを得たい。 (★★★★)
  • 齋藤孝: 座右のゲーテ
    ゲーテで生きる本質を語る。よく整理しないと矛盾していいる気がするが。ゲーテを通じ、現在の悪しき点を指摘する。一人で改善するのは難しいが。読みやすい。 (★★★★)
  • 小林秀雄: 考えるヒント
    難。難解と思って読み始めたら難解に。短い本だが読むのに時間がかかった。「言葉」の「姿は似せ難く、意は似せ易し」は、子供が言葉を覚えるたとえで理解できた。要再読。思考対象分野の広大さに舌を巻く。日本の古典を知らなアカン。 (★★★★)
  • 宮本常一: 忘れられた日本人
    民俗学のフィールドワークの書。びっくりするほど男女関係の話が多い。時代も場所も変わらず、普遍的なのは男と女か。今より過激。この書を通じて忘れられなくなる人々多々あり。 (★★★)
  • 北杜夫: どくとるマンボウ青春記
    航海記以来ほぼ10年ぶりのどくとる。6年前に挫折した本でもある。松本へ最近訪れたので、ご当地ものとして読む。勉強しないと何回も書かれているが、ワタクシらの「勉強しない」とは質も量も異なる。楽しい日々が描かれているが、決して楽に楽しもうとはしない。真摯に生きている姿が残されている。何事にも学ぶ大切さを説く。 (★★★★)
  • 塩野七生: チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる残酷
    ルネサンス期の法王の息子でもある、とにかく行動せずにいられない者の歴史・伝記・小説。フルスロットルで進んでいく姿は爽快だ。生涯を全力で駆け抜け、戦場で散った者の潔さ・儚さは格好良い。時代背景と人名がとっつきにくいのが難点。 (★★★)
  • シェイクスピア: マクベス
    『メタルマクベス』観劇記念で再読。もう1度読む必要を感じた。不安に苛まわれ、自滅の道を進むマクベスの物語としても読める。マクベスに立ち向かう戦士の話でもある。シェイクスピアの強さをもっと感じたい。 (★★★★)
  • 半藤一利: 昭和史<戦後篇>1945-1989
    めちゃくちゃ信頼できる昭和史。語り口調で、冷静に楽しく曖昧な混乱期を分析している。戦後篇と言っても沖縄返還までのことしかない。なぜなら、資料がないから。戦前篇と合わせて太平洋戦争を克明に記録した書籍。歴史を示すことによって平和を訴える。 (★★★★★)
  • 川端康成: 山の音
    これも難解だと思い込んで敬遠していた作家の作品。秀麗な文章で、日常を丁寧に描く。菊子ウルワシイ。もともとが短編のものを集めたものだからか、ラストが軽い気がする。文章を味わう本か (★★★)
  • カミュ: 異邦人
    ムルソーのピーンと筋が通った姿勢に惹かれる。周りの人には不条理なのかもしれないけど、本人にとっては不条理でもなんでもない。人生に意味を見出せなかったが、最後に一縷の望みを抱く。夏の太陽のもとに広がる情景が素敵だ。 (★★★★★)
  • 白洲正子: 白洲正子自伝
    楽しい自伝。著者じしんは平凡なんて言ってるけど、とんでもない。生まれた環境も非凡だが、本人のバイタリティーも非凡。恵まれた環境にありながらも、自分で切り拓いていた。日本に対する愛情もうれしい。 (★★★★★)
  • 井村和清: 飛鳥へ、そしてまだ見ぬ子へ
    享年３２歳。若すぎる死。医療に対する熱い思いを果たせない無念さと家族、仲間への大きな思いやりが伝わってくる。「ありがとう」という井村の最後の言葉が突き刺さる。井村の文章とともに、彼を囲む人々の文にも心打たれる。 (★★★★★)
  • サン＝テグジュペリ: 人間の土地
    う～ん、どうも合わん。ぐっと来るものがない。おそらくこっちの集中力不足。場面転換についていけず、気がついたら読了。う～ん。 (★★)
  • 藤原正彦: 若き数学者のアメリカ
    母親の次は息子の番。再読だが、内容を読むたびに思い出す。それほど面白い。アメリカへ行ったことで、日本、日本人の持つ素晴らしさを認識する。所詮アメリカ人にはなれないのだから。外国に迎合するのではなく、外国と対立してナショナリズムを高めるのではなく、日本（人）として誇りを持つ、という考えに同感。脱線したが、本書はユニークかつ独自の考えが散りばめられた現実の話。これがエッセイだ。 (★★★★★)
  • 藤原てい: 流れる星は生きている
    文字通り「壮絶」な記録。殺される恐怖ではなく、生きられない苦しさ。「必死」で生きてきたからこそ子細に覚えているのだろう。思い出したくもないのに伝えなければならないことがここにある。 (★★★★★)
  • 劇団ひとり: 陰日向に咲く
    素晴らしい！５本の短編が見事にリンク。ひとつの短編を読み終えるたびに、オチの見事さに「巧い」と唸る。ミャーコのコンサートとデジカメメモリー奮闘で声を上げて笑う。それと同時に、ペーソスが物語全体に漂う。でもラストにはどの人も希望に溢れている。ひとり、凄いな。オモロ、オモロ。 (★★★★★)
  • パール・バック: 大地
    大地を増やす者。大地を売る者。大地を自らの手で手に入れる者。大地を他人に任せる者。大地を手放す者。大地に帰ってくる者。大地を通じた、父から孫へ繋がる物語。次々に変革する中での記録。ラストは大地よりも愛。あれ？ (★★★★)
  • 金子達仁: 決戦前夜
    副題が Road to FRANCE とあり、アジア最終予選のお話。リアルタイムを経験したこともあり、熱中。一日で読了。それほど熱狂しなかったにせよ、ジョホールバルは興奮した。あんな冷や汗連続の戦いは成るべくして成ったと本書で感じた。本大会の相手が悪かったにせよ、出場することが目的になっていたことを実感。最終予選で盛り上がりすぎた？ (★★★★★)
  • リリー・フランキー: 東京タワー
    うん、感動できる。「オカン」の宣伝が強いけど、リリーの自伝・生い立ちに他ならない。リリーの思想が散りばめられている。誰にとっても、いちばん近い人、オカン。「みんな、なんでも知ってるつもりでも、本当は知らないことがたくさんあるんだよ」 (★★★★★)
  • 椎名誠: 哀愁の町に霧が降るのだ
    読み易い。初椎名。おそらく計算尽くされているのだろうが、感じさせない。楽しい生活。 (★★★★)
  • アラン・シリトー: 長距離走者の孤独
    短編集。どうも最後まで摑みきれずに読了。「土曜の午後」「漁船の絵」が好き。 (★★★)
  • 司馬遼太郎: 世に棲む日日
    松陰－晋作の新しい時代の土台を作り上げた者の記録。新たな時代を想い、最前線で引っ張っていったにもかかわらず、その時代に生きられない皮肉が悔しい。 「おもしろき　こともなき世を　おもしろく　　」 (★★★★)
  • 佐藤優: 国家の罠
    とんでもない記憶力。「日本」という国を支え、引っ張っていくにはこれほどの頭脳が必要であるし、不可欠。 ダカーポの2005年度最高の本。そのとおり。理路整然と無実を訴えられると、アホなワタシは信じてしまう。この人いなくなって「日本」は大丈夫か？ (★★★★★)
  • シュテファン・ツワイク: ジョセフ・フーシェ
    ロベスピエール、ナポレオンと対立しながらも生きながらえた天才。 なぜかくたばらない。 でも最後は失意のうちになくなる。人生そんなものか。 (★★★★)
  • 太宰治: 斜陽
    なにかグッと来るものはなかった。 再読だけど、前も同じ印象だったな。 太宰はワカラン。 (★★)
  • ジョージ・オーウェル: 1984年
    徹底的に管理された中で生きる。束縛から逃れようとして生き、この束縛が完全に逃れたとき、己は生きていない。 (★★★★)
  • 坂口安吾: 坂口安吾全集　4
    国家の非常時に愛する人といることを選んだ人々。 このぐらいのパワーが無いと作品は作れない。 これが昭和20年代に書かれたものであるという驚き。 (★★★★)
  • アゴタ・クリストフ: 悪童日記
    ふたりでひとりだったのが、ひとりひとりになるとき、新たな世界が始まる。 抽象的だけど、リアル。 (★★★★)
  • 藤沢周平: 蝉しぐれ
    時代小説だけど、現代に近い。 スラスラと読了。 大好きな人とは結ばれないがハッピーエンド。 (★★★★★)
  • ヘルマン・ヘッセ: デミアン
    よくわからん。 ヘッセと相性が悪いみたい･･･ 『車輪の下』もよく覚えとらんわ。 (★★)
  • 宮本輝: 道頓堀川
    結構スラスラと読了。 親子の未来を一緒にソウゾウしましょう (★★★★)
  • 宮本輝: 蛍川・泥の河
    テル作品初見。 文学って感じ。 やりきれなさは誰にでもあるのだ。 (★★★★)
  • ソポクレス: オイディプス王・アンティゴネ
    神は怖い。 強すぎる。 幸せだと思っていけないのか･･･ (★★★★★)
  • 野口晴哉: 整体入門
    自分の体は自分で治そう。 「気」の存在に疑いが。 でも、信じるものは癒される (★★★★)
  • ドストエフスキー: カラマーゾフの兄弟
    敬遠してたけど、読めます。 ミステリー？サスペンス？哲学書？ ラブストーリー？考現の書？ いっぱい詰め込まれておなかいっぱい。 また読みます！ (★★★★★)
  • ミラン・クンデラ: 存在の耐えがたき軽さ
    大人の恋なんてわかりません。 自分自身にとって誰が必要なのか？ (★★★★)
  • 安部公房: 砂の女
    普遍的な作品が残っていくのだ。 以前途中で挫折したが、今回リベンジ。 集中して読むと、読みやすい。 (★★★)

コンタクト

アドレス（URL）： http://marimura.air-nifty.com/folder/

1行紹介

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自己紹介文

さいきんトラックバックを覚えました。（2005.11）

興味のあること

『読書力』１００冊